ジェリー・ゴールドスミス作品集


★disc rating: A

ジェリー・ゴールドスミス作品集(1985)
The Soundtracks of Jerry Goldsmith with The Philharmonia

  • 解説:デレク・エリー
  • 発売日:1989年
  • 発売元:Deram(輸入盤)
  • 定価:??
  1. The Blue Max - Suite (16:29)
    • Overture
    • First Flight
    • The Bridge
    • The Attack
    • Finale
  2. Television Themes (Medley) (9:45)
    • The Man from U.N.C.L.E.
    • Doctor Kildare
    • Room 222
    • The Waltons
    • Barnaby Jones
  3. Masada (5:37)
  4. Gremlins - Suite (7:35)
  5. Motion Picture Themes (Medley) (15:24)
    • Sand Pebbles
    • Chinatown
    • A Patch of Blue
    • Poltergeist
    • Papillpn
    • The Wind and the Lion
  6. The Generals - Suite (5:12) [Themes from MaCarthur and Patton]
  7. Lionheart - The Children's Crusade (4:03)


フィルハーモニア管弦楽団とのコンサートの際に同オケでCD用に録音した、ゴールドスミス最初の自作・自演集。


ブルー・マックス』(1966)では大空を複葉機で飛び回る英雄たちの解放感と、戦闘場面での緊張感、最後の墜落と決まる。秀作である。
テレヴィジョン・テーマ曲』は本国ではお馴染みの曲が多いのだろう、耳に馴染み易いテーマ曲が次々と奏でられるメドレー。これは後に『スター・トレックボイジャー』が入る前のもの。


『炎の砦マサダ』(1980)は勇壮でありながらどことなく悲壮感漂う、しかも湿っぽくないゴールドスミスらしい傑作。


グレムリン』(1984)は、同年の『トワイライトゾーン/超次元の体験』に続くジョー・ダンテとの顔合わせ。但し、最後に流れる『グレムリン・ラグ』は続編『グレムリン2/新・種・誕・生』からのものだろう。


『映画音楽メドレー』は来日コンサートですっかりお馴染みのもので、後に『エアフォース・ワン』『氷の微笑』が入るもの。ここの曲は全てオスカー・ノミネイトのものばかりで、ゴールドスミス本人にとっても思いで深いものばかりなのだろう。曲順も注意深く並べられている。『いつか見た青い空』のソロ・ピアノとヴァイオリンはやはり良い。


『将軍たち』は軍隊マーチが秀逸なメドレー。『マッカーサー』から、こだまのようなトランペットによる『パットン大戦車軍団』への切り替えが良い。


ライオンハート/子供たちの十字軍』(1987・未)は映画は失敗作のようだが、音楽はいつもながら素晴らしい。ラヴェルを思わせるテーマが美しい。


総じてテーマ曲中心のセレクションなので聴きやすく、ゴールドスミス入門として最適。今観るとやや古めの選曲なのは仕方無いとして。ただそれが、ゴールドスミスの魅力はテーマ曲だけでない、と知る者には物足りないが。原曲よりもややゆったりめの演奏だが、さすがにオケは上手い。全く破綻無く、安心して聴かせる。唯一、録音レヴェルが低いのが残念だ。


デレク・エリーの解説は平易で詳細、初心者にはゴールドスミスを知る資料として価値があろう。ジャケットが格好悪いのが唯一かつ最大の問題点。限定盤はボブ・ピークによるイラストで格好良かったのだが、買った当時は浪人生でお金が無かったんだよなぁ。だからこっちを持っているのだ。