アンダー・ファイア


★disc rating: A

アンダー・ファイア(1985)
Under Fire

  1. 戦火の下で(5:33) Bajo Fuego
  2. 狙撃兵(3:24) Sniper
  3. ハンモックの家(3:12) House of Hammocks
  4. 背信(4:16) Betrayal
  5. 7月19日(3:27) 19 De Julio
  6. ラファエル(2:35) Rafael
  7. 新しい愛(3:44) A New Love
  8. サンディーノ(3:36) Sandino
  9. アレックスのテーマ(3:38) Alex's Theme
  10. マナグア陥落(2:27) Fall of Managua
  11. ラファエルのテーマ(4:09) Rafael's Theme
  12. ニカラグァ(4:11) Nicaragua


長らく廃盤状態だったのが念願かなって再発売。嬉しいことだ。


ロジャー・スポティスウッド監督、ニック・ノルティジーン・ハックマンジョアンナ・キャシディ主演で描く、南米クーデターでのジャーナリストたちを描くスリラー・ドラマは、ゴールドスミスの力作音楽が付いた映画であった。この頃のゴールドスミスの特徴としてシンセを多用した音作りが目立つが、南米の楽器を模したサウンドは違和感無く曲に収まっている。生楽器から浮くことなく、楽器の1つとしての使い方が上手く、いつもながら感心してしまう。


そして忘れてならないのが、パット・メセニークラシック・ギターの調べ。特に弦、パーカッション、メセニーのギターのみで構成された『1.』は、緊張感溢れる出だしから聴く者の胸を鷲掴み。哀愁溢れるメセニーのメロディックなプレイにも参ってしまう。哀愁溢れるもののドライ、これは作曲家の個性と演奏者の個性が前面に出た幸福な例だろう。ギターとオケの掛け合いのような演奏がまた素晴らしくスリリング、鳥肌もの。初心者にとって、アルバムとしてはやや取っ付き難い面もあるのは否定しないが、この演奏だけでも聴く価値が十二分にもあるというものだ。メセニー参加の曲だけでなく、全体に哀愁帯びた南米風の曲も美しく、眩しい。秀作。


解説はゴールドスミスとメセニーに言及しているが、どちらかと言うとメセニー寄りの文章。致し方ない・・・のか?