アンダー・ファイア
★disc rating: A
アンダー・ファイア(1985)
Under Fire
- 作曲&指揮:ジェリー・ゴールドスミス
- ゲスト・ソリスト:パット・メセニー
- 総演奏時間:44:54
- 解説:熊谷美広
- 発売日:2000年11月22日
- 発売元:(株)ワーナーミュージック・ジャパン
- 定価:税抜1,700円
長らく廃盤状態だったのが念願かなって再発売。嬉しいことだ。
ロジャー・スポティスウッド監督、ニック・ノルティ、ジーン・ハックマン、ジョアンナ・キャシディ主演で描く、南米クーデターでのジャーナリストたちを描くスリラー・ドラマは、ゴールドスミスの力作音楽が付いた映画であった。この頃のゴールドスミスの特徴としてシンセを多用した音作りが目立つが、南米の楽器を模したサウンドは違和感無く曲に収まっている。生楽器から浮くことなく、楽器の1つとしての使い方が上手く、いつもながら感心してしまう。
そして忘れてならないのが、パット・メセニーのクラシック・ギターの調べ。特に弦、パーカッション、メセニーのギターのみで構成された『1.』は、緊張感溢れる出だしから聴く者の胸を鷲掴み。哀愁溢れるメセニーのメロディックなプレイにも参ってしまう。哀愁溢れるもののドライ、これは作曲家の個性と演奏者の個性が前面に出た幸福な例だろう。ギターとオケの掛け合いのような演奏がまた素晴らしくスリリング、鳥肌もの。初心者にとって、アルバムとしてはやや取っ付き難い面もあるのは否定しないが、この演奏だけでも聴く価値が十二分にもあるというものだ。メセニー参加の曲だけでなく、全体に哀愁帯びた南米風の曲も美しく、眩しい。秀作。
解説はゴールドスミスとメセニーに言及しているが、どちらかと言うとメセニー寄りの文章。致し方ない・・・のか?