レジェンド/光と闇の伝説
★disc rating: A+
レジェンド/光と闇の伝説(1985)
Legend
- 作曲&指揮:ジェリー・ゴールドスミス
- 演奏:ナショナル・フィルハーモニック管弦楽団
- 総演奏時間:70:50
- 解説:ジェームズ・フィツパトリック、ポール・アンドリュー・マクリーン
- 発売日:1992年
- 発売元:Silva Screen Records Ltd.(輸入盤)
- 定価:-
- Main Title*/The Goblins (5:45)
- My True Love's Eyes#/The Cottage (5:04)
- The Unicorns (7:53)
- Living River*#/Bumps & Hollows#/The Freeze (7:21)
- The Faeries*/The Riddle (4:52)
- Sing the Wee# (1:07)
- Forgive Me (5:13)
- Faerie Dance* (1:51)
- The Armor* (2:16)
- Oona*/The Jewels* (6:40)
- The Dress Waltz (2:47)
- Darkness Falls* (7:27)
- The Ring (6:28)
- Re-Unites# (5:18)
- *: Previously unreleased
- #: Lyrics by John Bettis
『エイリアン』(1979)での自分の知らぬ間に行われた音楽編集で辛酸を舐めたものの、リドリー・スコットとの2度目のコラボレーションに望んだゴールドスミスの傑作の1つ。映画の出来映えは映像と音楽に比べて今一つ、主演のトム・クルーズも冴え無かった。興行的な失敗だけでなく、北米公開版をタンジェンリン・ドリームの音楽に全面差替えされ、再びスコットとの共同作業は失意で終わる。欧州及び日本公開版はゴールドスミス版だった。テレビ放送されたときにそれを観たが、音楽は画面にかなりの効果を上げていたように思う。
さてかなり久々に音楽だけ聴いてみると、これが意外にもシンセを多用した音楽となっている。当時はYAMAHA DX7が出た後だったので、ゴールドスミスは嬉しくて電子音をたくさん使っていた頃だった。不定形なメロディの『1.』では、オケの演奏にシンセ音を乗せている。全体的にはシンセだけでなく、ヒロイン(ミア・サラ)の歌声をフィーチャーし、闇に清らかな光明を当てよう、との意図とも取れる。ナショナル・フィルの演奏はいつも通りに確実。全体にゆったりとした曲が続き、闇と光が織り成す世界を作り上げていて、素晴らしい。
ゴールドスミスとしては異色の部類に入るのかもしれないが、その引出しの多さをまたもや実感させられる作りだ。英文ライナーも相当に充実していて、解説書の見本だ。ユニコーンの中世風イラストを模したピクチャーディスクも嬉しい。