メン・イン・ブラック3



★film rating: B+
※A、B、Cの3段階を、さらにそれぞれ+、non、-で評価しています。

地球上には宇宙から来たエイリアンが大量にいて、人類と密かに共存していた。トラブルを監視し、収束させる黒装束の極秘機関メン・イン・ブラックのエージェントJ(ウィル・スミス)とK(トミー・リー・ジョーンズ)のヴェテラン・コンビだったが、ある日Kの存在がこの世から消えてしまう。犯人は40年前にKによって逮捕された、極悪宇宙人ボグロダイトの囚人ボリスだ。脱獄した彼はタイムトラベルにより過去に戻り、Kを殺害したのだった。しかもボグロダイト星人が大挙地球に押し寄せ、総攻撃を開始する。防御システムは40年前にKが設置したもの。それが無ければ地球は侵略されてしまう。人類を救うには過去に戻って、K殺害を阻止しなくてはならない。40年前に戻ったJは、若きK(ジョシュ・ブローリン)に会う。


メン・イン・ブラック』(1997)も『メン・イン・ブラック2』(2002)も、どちらもスミスとジョーンズの主役2人の組み合わせと、リック・ベイカーによるユーモラスで奇妙なクリーチャーが見ものという程度の、ゆるいSFコメディとの認識でした。ですからこの3作目にしてここまで化けるとは、予想外の嬉しい驚きでした。ハリウッド大作の中でも、こういう軽く楽しめてそれなりに満足感を得られる映画って、中々貴重な気がしました。毎回満腹感を得られなくても良いから、この様に中身も伴っていると嬉しいです。本作の場合は話が面白いし、適度にグロな笑いもある演出も良いし、それに若きK役ジョシュ・ブローリンが最高でした。ホントにトミー・リー・ジョーンズにそっくりと思わせる瞬間もありましたけれども、単なる物真似になっていません。歳食ってから無表情、仏頂面のKが、若き日々は必ずしもそうでないとの人間味が味になっていて、感動ですらあります。脚本は終幕に泣かせる展開を用意してこれも驚きでしたが、残念な事に何故仏頂面になったかの説得力は薄かったように思えます。まぁここら辺のツメの甘さもこのシリーズらしいと言えばそうですね。


スミスはかつて好きなスターだったので見ていて楽しいけど、昨今はちょっとナルシスティックな感じも漂っている気がします。これもスターの特権でしょう。そのスターパワーも、完全にジョシュ・ブローリンに食われていました。それだけブローリンは素晴らしかったのです。ジョーンズ本人は序盤と終幕に顔を出す程度でした。


3D効果は余り期待しない方が良いです。1番飛び出すのは冒頭のパブロ・フェローによるお馴染みの手書き風タイトル・デザインくらい。タイムトラベル場面は効果あったかもですが、既にその頃は余り意識しないで観ていたなぁ。シリーズお馴染みのリック・ベイカー出演ですが、こちらもメイクしていても比較的分かりやすい役でした。


メン・イン・ブラック3
Men in Black III

  • 2012年 / アメリカ / カラー / 103分 / 画面比:1.85:1
  • 映倫(日本):G
  • MPAA (USA):Rated PG-13 for sci-fi action violence, and brief suggestive content.
  • 劇場公開日:2012.5.25.
  • 鑑賞日時:2012.5.28.
  • 劇場:TOHOシネマズ ららぽーと横浜3/デジタル3D上映。平日月曜朝10時からの回は15人程の入り。
  • 公式サイト:http://mib-3.com/ 映画情報、ゲーム、DVD/Blu-ray Disc情報、主題歌PV等。